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作:Ξキソケさん「快感とスリルの間」

「あっ……」
里香は急に僕に抱きしめられて驚き、少しだけ身体を強張らせたが、 すぐに同じくらいの力で僕の身体を抱き返してきてくれた。 少しの間の抱擁が終わると、里香が僕の顔を切なげに見つめてきた。 勃起しきった股間がひどく疼いて、暴れる。僕はもう何も言わずに、里香の下半身を纏う衣類を丁寧に脱がした。上は脱がさないで欲しいというのは、里香のお願いだから。上半身はしっかりとパジャマを着ているのに、下半身は靴下だけおかしなという姿が僕を昂ぶらせた。
つい口から彼女の姿を褒める言葉が出そうになるけど、多分怒られるから我慢しておいた。里香はというと顔を赤くして目を瞑っていて、僕に事を任せていてくれた。僕は心を落ち着けて、まだ今日は一度たりとも触れていない里香の秘部に右手を進める。そっと、精密に作られた模型を弄るように。美しい草花を愛でるように。
パジャマの裾に僕の右手の甲がさわさわと当たり、そして指先が里香の秘部に触れた。本当に柔らかい。
くちゅっ……
秘裂から湧き出た蜜が、僕の指や恥毛と絡んで淫らな水音を響かせる。里香の口からは甘い息が漏れる。
「ぁっ……んっ……」
里香のそこはもう、熱く濡れそぼっていて直ぐにでも僕を受け入れられそうだった。試しに右手の指を徐々に潜り込ませようとする。
けれどその時、廊下から足音が近づいてくるのが聞こえた。
トン‥‥トン‥‥トン‥‥
同時に、この病室にまで聞こえるような必要以上に大きな溜め息も。
「ふーーうっぅぅ~~……‥‥」
その疲れた女の人の声には聞き覚えがあった。背筋が冷たくなる。夜勤で疲れている亜希子さんが身体を伸ばしながら歩いているのがわかった。僕と里香がこんな事をしているのに、何もすぐ近くを歩かなくてもいいだろうと怒りたくなったが、その怒りよりもこの現場を見られたらとてつもなく困るという焦燥感と恐怖が遙かに上回る。僕の頭の中で警報が鳴り響いたような気がした。
「まずいよ里香!」
「えっ?」
「と、とにかく布団かぶって隠れないとっ……」
僕は事態をわかりきっていない里香に説明する間もなく、慌てて里香にも一緒に布団をかぶせて気配と音を消した。病院のものらしい布団の匂いと、里香そのもの匂いが僕の鼻をくすぐった。
こうすれば亜希子さんに、僕が里香の部屋にいる事を少しでも気付かれずに済むかも知れない。
布団の中は暗くて何も見えないのだが、外から見たらベッドの上には僕と里香の身体をなぞった形の布団がモッコリとしているだろう。
「ふぅ……これでなんとかごまかせ――」
とりあえずのカモフラージュをして僕は一安心してしまったが、里香は何が起こっているのかわかっておらず、いつもの調子で僕を怒鳴りつけてしまった。
「一体なんなのよ!?」
まぁ、せっかくのムードがぶちこわしになったという怒りも込められていたんだろう。里香が廊下に聞こえてしまいそうな声でそう言い、暴れようとしてしまったので、僕は更に慌てて里香の口を右手で塞ぎ、身体を少しおさえた。
「んっ……!!」
「ごめん、でも外に亜希子さんがいるんだよっ……このまま通り過ぎるまで静かにしてないと……」
早口で言ったが里香には伝わったようで、怒りを収めてすぐに静かにしてくれた。けれど、危険は去ったわけではない。
トン……トン……
嫌な考えが当たって、僕が里香と布団の中で息を潜めている間にも、亜希子さんの足音は里香の病室の周りに響いていた。
「………」
「………」
亜希子さんの足音だけが外で響いている中、僕は今下半身素っ裸の里香と、狭い布団の中で密着してしまっている事に気が付いた。
さっき里香が暴れようとしたのを止めてしまったせいで、偶然にもお互いの身体がいやらしく絡んでしまい、しかも僕の右手は里香のおなかの辺りをパジャマ越しに押さえてしまっている。その下に手を這わせば、そこには里香の秘部が間違いなくある。
顔と頭の温度が、一気にモワッと上昇するのを感じた。亜希子さんにバレてはいけないというスリルと、亜希子さんにバレたらどうしようという背徳感が絡み合って、僕の頭の中を蛇のようにうねっていた。これだと自分が里香に何をしてしまうかわからないから、何とか邪念を晴らそうと自身の性欲に抵抗して今度は里香の顔の方を見て話しかけてみる。
「……まだいるよね、亜希子さん」
「んぅっ……は、はやく行ってよ谷崎さん……」
まぁなんというか仕方がないのか、里香もこんな際どい状況に置かれて興奮してしまっているようだ。
「っ……はぁっ………」
例え顔が見えなくても、上気した里香の熱っぽい息が僕を確実に煽り立ててしまう。本当は今すぐ里香の秘裂に右手の指を入れてグチュグチュとかきまわしたい。気の向くままに里香と気持ちよくなりたい。多分、里香もそれを望んでいるのだろうと思うと尚更だ。
「ふぁぁっ………」
不意に、里香が腰を切なげにクイッと動かして喘ぎ声を漏らした。考えれば、亜希子さんが廊下を歩いていなければ本来行われた筈の前戯をずっとお預けにされた形だから、ある意味僕よりもつらいだろう。
トン……トン……
亜希子さんの足音が、僕達の心の中のせめぎ合いを更に煽っていく。それでも、僕はなんとか気を紛らわそうと里香に話しかける。
「な、なんで……亜希子さんはこんな時間にうろついてるんだろうな?」
「うん…… ……っ、んぅ………」
そして、里香の小さい身体の温もりと、どこか物欲しそうに身体をよじらせる仕草が僕に間違いを犯させた。気が付くと僕は、布団が作る暗闇の中から首だけを外に出して同じように布団の外に出した里香の唇を容赦なく奪っていた。
驚いた里香が反射的に声を漏らさないように、しっかりと舌を絡めて。
「んぅっ……んっ~~‥‥」
里香は少しだけでも抵抗しようとするが、口を塞がれているので声は出せないし、すぐ近くの廊下には亜希子さんがいるせいで下手に気配を出すことも出来ない。それどころか、僕の舌が里香の口の中をかきまわしていくと、里香さえもこの変態的な行為の虜になってしまったらしい。その顔が羞恥と、快感にみるみる赤く染まっていったのだ。
僕の舌を抜かれ、半開きになった里香の口から溜め息と唾液が漏れ、僕の名を呼んだ。
「ぁっ……ゆ、ゆういちぃ……」
そんな里香に欲情を掻き立てられた僕は、里香の唇から名残惜しくも唇を離した。本人は否定するかも知れないが、明らかに嫌がっているようには思えない。そして、まだまだこのアブノーマルな行為を愉しみたい僕は、右手の指を里香の秘部に布団の中でそっと這わせた。
その予想外の感覚に、里香は小さい嬌声を上げた。
「ひゃんっ‥‥!」
妙に初々しい反応の里香を見ていてると、僕の男の本性が目覚め始めた。
トン……トン……
ドアと壁を隔てた廊下には亜希子さんがいて、運が悪ければ里香とナニをしているかがバレてしまうというスリルに、僕はすっかり取り憑かれていた。まずは、右手の指で里香の秘部の濡れ具合を確かめる。
ちゃっ……くちゅっ……
「やっ……っ」
その後、僕は間髪を入れず里香の秘裂に右手の指を侵入させていた。
ぐちゅっ……
僕の指と里香の柔らかすぎる肉が愛液で絡み、淫らな水音がかすかに発せられた。
「ふわぁ……っ!」
里香が堪えきれずに小さな声を上げるが、僕は気にとめる事が出来ずに、愛液で濡れそぼった秘裂に右手の人差し指と中指を激しく出入りさせた。親指で里香の秘部を押さえ、手首をクイックイッと容赦なく動かして突き入れる。
くちゅくちゅくちゅっ!
ひどく柔らかいそこは、羞恥心で里香が昂ぶっているせいかいつにも増して僕の指に絡み付き、僕と里香の耳に嫌という程淫らな水音を聞かせてくれた。ふと僕は、温かく濡れた指がふやけてしまうんじゃないかと思う。
「やっ‥‥やだぁ……こんなに音してる……」
里香の口から甘さを帯びたとまどいの声が漏れたのが、更に僕を興奮させた。僕は指をくちゅくちゅと動かし続けながら、里香の顔を見てこう言ってやった。自分でも、悪ノリしすぎかな? 後で怒られるかな? という思いはある。
「里香……どうする? イクの?」
里香はイヤイヤをするような素振りを見せて、僕に必死に懇願してきた。
「だ、だめっ、今は駄目ぇっ‥‥!」
きっと里香は、この光景を亜希子さんに見られたのを想像してしまったんだろう。全くなんというか、ほんとに可愛い女の子だ。
「何言ってるんだよ。里香だって、亜希子さんが廊下にいるせいで余計興奮してるんだろ?スリルがある方がいいもんな」
意地悪な僕の言葉に里香の身体がくねり、その温度を増した気がした。
「そ、そんなことな‥‥!、ひゃっ‥‥!」
僕に言葉責めされる度、里香の白い顔に朱が増していく。
「こんなにたくさん濡れてるのに、今更恥ずかしいも何もないって。……あ、それとも亜希子さんに見られたいの?」
「‥‥ば、馬鹿ぁっ! ひぁんぅっ‥‥!!」
そんな会話をしている時に限って、また亜希子さんの足音が大きく聞こえた。
トン‥‥トン‥‥
「谷崎さん‥‥!?」
この病室のすぐ前を歩いているんだろうか?多少心配にもなったが、もほやその足音も僕と里香を昂ぶらせる材料でしかなかった。
「ほら、気にしてないで早くイった方がいいよ?」
僕は里香の反応を素直に愉しみながら、指を更に動かして里香を達せさせようとする。絡み付いてくる肉襞を指先で抉るように、指の角度を細かく変えて責め立てる。
ぐちゅぐちゅっ!
「ふわぁっ……! ば、ばれたらどうするのよぉ‥‥」
「大きい声出さなければ気付かれないからさ、イッちゃえば?」
僕は里香にそう言うと、左手で里香のクリトリスの包皮を剥く。
「ひぁっ‥‥!! や、やらよぉっ‥‥!!」
そして親指と人差し指を使い里香が痛がらない程度の力で、その肉芽を摘み上げる。
中指では、里香の秘裂を執拗に突き上げてかき回しながらだ。
ぐちょぐちょぐちょっ!
「だ、駄目ぇっ‥‥あ、、あ、、、、っ!」
里香は遂に、激しい背徳感と羞恥心に襲われながら、それすら快感に変えしまい、目を瞑り声が漏れないように唇を必死に噛みしめながら高みに達してしまった。
「ひゃぁぁぁぅぅぅっ……………っ~~~~!」
長くか細い里香の嬌声が僕の耳元で響く。布団に収まった里香の身体が余韻でプルプルと震えているのも、妙に可愛く感じてしまう。里香はなんとか声を出さずに絶頂の快感に耐えたが、後はまるで眠った子猫のようにクッタリと脱力してしまった。今は、はっきりとしない意識のまま息を整えている。これ以上連続で続けたら身体が危ないだろうし、そうでなくても、今の里香は放心状態で普通の受け答えが出来なさそうだ。
「ぁ……はあ‥‥はぁ‥‥」
そんな里香を見ていると、亜希子さんの足音が遠ざかっていくのがわかった――――

――――亜希子さんの足音が遠ざかっていってから少し時間が経っていた。
すぐ近くに里香の温もりを感じながら、僕は布団の中で精神的な落ち着きを取り戻している。里香はというと十分に呼吸を整えていて、お互いの息がかかるような距離に寝ていた。どこか気まずいような恥ずかしいような沈黙が流れていて、僕はちらりと里香の顔を窺った。すると、里香は僕に向かって口を開いてきた。伏し目がちで恥ずかしそうに、ポツリとこう言った。
ばか……」
その短くてストレートな言葉は、僕に対する怒りや戒めというより、むしろ彼女自身の恥ずかしさを誤魔化しているような感じがする。
いつも里香の尻に敷かれている僕の口から反射的に出てくる言葉はというと、これだ。
「ごめんなさい」
確かに、あんな状況であれだけ感じてしまったのだから、プライドの高い里香が恥ずかしいと思わない訳がない。そんな気持ちの行き場が無くて、僕に当たっているのだろ。それでも、僕を本の角で殴ったりしないのは、やっぱり里香が僕のことを好きだからなのだろう。
「……ほんっとに申し訳ないって思ってるの? 
 エッチな事考えてる裕一なんて、全然信用出来ないんだからね……」

こういう事を言われると、全く面目が立たないのが僕だ。
「今まで、そういう事で何回怒らされたかも覚えてないわよ」
内訳を少し数えてみると、今は亡き戎崎コレクションの事を始め色々あったのが更に情けない。
「す、すみません……」
しかし、里香は僕をそんな調子でたしなめながらも、熱っぽい眼差しを注いでいるのがわかる。僕と話しているせいで、先ほどの自分の痴態を思いだしてしまったんだろう、亜希子さんに気付かれてしまいそうだという背徳感の中、僕の指と言葉に激しく責め立てられて、まともに声すら出せずに達してしまったのだ。そんな里香に意地を張る気は起きなくて、僕はすっぱりと自分の非を認めた。
「ごめん‥‥ほんとに謝るよ。 
これからはもし里香が嫌がってたら、俺何もしないようにする」

「……当たり前でしょ? エッチな事にガッつくなんて、
 そもそも嫌われて当然じゃない! 大事にしてあげないと、女の子に嫌われるのわからないの?
 それに、もし気付かれてたら、裕一も私もどうなってたと思ってるのよ?」

「う………」
痛いところというか、僕がワル乗りしてしまった原因を突かれた。もちろん里香もああいう状況で興奮していたけど、里香が怒っているだいたいの原因は僕にある。まぁ、そうでなくとも里香は多かれ少なかれ僕に当たる事が多いのだが。
「だいたい、裕一はいつもいつも―――」
それから僕に展開されたのは実に里香らしい正直な意見で、たとえ両想いの仲でも、つくづく僕みたいなのは里香には敵わないんだなと思ってしまう。しかし、捲し立てている里香の顔には赤みが差してきて、例によって裸のままの下半身が切なそうな動きをしている。
そして、僕の股間には血液が再び激しい熱を帯びて集まるのを感じた。要は、僕も里香も若くて、まだ満足しきっていないという事だ。
「―――まあ、私だって……その‥‥裕一がしたい事ならさせてあげたいけど……」
里香は赤らめた顔で、妥協してあげてるのよ?という感じで小さくそう言い、僕に少し近づいてきた。僕をもっと求めて、気持ちよくなりたいけどそれには戸惑いを感じてしまっている。恋する女の子らしく、里香の気持ちは微妙なんだろう。そんな里香が一層可愛く感じられて、僕は横向きに寝たまま目の前の里香の肩をスッと抱き寄せてこう言った。
「俺は、里香の機嫌を直したいんだけど、どうすればいいかな?」
きっと里香は僕のことを少し意地悪に感じただろう。
僕が内心ニヤニヤしていると、里香が不意にこう言った。
「じゃ……キス、してよ」
「え‥‥?」
その口調が割とあっさりしていて、当然のことだという語気が意外だった。さっきの僕は少し意地悪かも知れないが、今の里香はかわいげはある本物の意地悪だった。
「そうしないと、機嫌直してあげないもん」
里香は目を瞑ると、僕に向かって唇を求めてくる。
「わ、わかったよ」
逆に僕の方が戸惑ってしまいそうになり、動揺を気取られないようにしながら目を瞑り、里香の小さい唇に自分の唇をそっと重ねた。
ちゅっ‥‥
柔らかい唇だけのキスから、少しだけ舌を絡めた後は口を離す。お互いから少しでも多く快感を貪るタイプのキスではなく、子供のお遊びのようなキスだが、それもそれで悪くはないと思う。僕は、唇を離したら里香に何か話しかけようとしていたが、今度は里香に誘われる番だった。臨戦態勢のペニスも、僕の心もビクンと震える出来事だった。里香は急に優しい目つきになって、僕のペニスを右手で優しく掴んできて、それで口を開く。
「裕一……しよっか?」とても穏やかな、淀みのない感情が込められている言葉に感じられた。
もう、僕と里香の間にそれ以上の言葉はいらなかった。僕は里香を更にギュッと抱き寄せながら、どういう体位でするのかをやましくも考えていた――――

―――多田コレクションや自分のコレクションのお陰で、僕はある程度里香をリードする事が出来た。最初に里香を横向きに寝かせて、次に僕はその正面にやはり横向きに寝る。まぁ、俗に言う前側位とかいうものにあたる体位をつくった。
身体を重ねないで済むから男女ともに無理がなく、お互いの顔を見ることもできる悪くない体位だ。挿入がさほど深くならないのが欠点らしいが、そんなには気にならない問題だ。
……それで、今僕の目の前にいる里香は下半身に何も纏っていなくて、かろうじて彼女の左手で秘部が隠されているに過ぎない。その白い手を秘部から剥がせば、あの忘れたくとも忘れられない、薄めの恥毛がつつましく生えた里香の秘裂と恥丘が僕の目に晒されるだろう。
その部分も、この時だけは僕を受け入れるためだけに使われる。
ちなみに、里香の右手の方はというと、女の子らしい手つきで胸元のパジャマの生地をきゅっと掴んでいる。里香の着ている質素極まりないこのパジャマの柄は、少女趣味的な幼さとチラリズムによる危なげな色っぽさを併せて醸し出しているようにさえ見える。本当に白い二本の太ももはチラチラと上パジャマからの裾から見え隠れし、そこからずっと下まで細く鮮やかなラインを惜しげもなく描いている。そんな身体全体から優しく流れてくる里香の体臭も、ずっと嗅いでいたいほどだ。……そんな風に美しい里香を見つめて自分の世界に入っていると、当の里香を不愉快にしたらしく睨まれてしまった。
それはそうか、女の子の身体を見て我を忘れるなんて言語道断だろう。特に里香には。やはり、里香はジトッとした目つきのまま僕にこう言った。
「……裕一、あんまりボーッとしてないでよ?」
僕は少し目を逸らしながら言い訳をする。
「ごめん、ちょっと考え事してて………」
我ながらアホな言い訳だと思う。当然それは里香に見抜かれたらしい。僕をたしなめるような口調で里香は切り返す。
「ふーん……私の身体を見ながらでもしちゃうような考え事って、どんな事なの?」
「が、学校のことだよ。や、ほら、テストの範囲とかさ……」
横向きになった里香の顔の双眸が、うさんくさそうに細まる。
「……嘘ばっかり。 まぁ、裕一のことだから何考えてるのかなんてわかりますけど」
里香は、裕一の事なんてお見通しと言わんばかりの口調と目つきでそう言った。
こういう状況を、恥の上塗りとか汚名挽回というのだろうか?僕は思わずシュンとなって謝った。
「…………ボーッとしてて、ご、ごめんなしゃい……」
「……裕一……。 もういいから、いいから………」
急になぜか、里香は許すような、それでいてどこか物欲しそうな声をかけてきた。語調が変わり始めたので、僕は嬉しくも不思議に思いながら聞いていた。すると里香の右手が僕の髪に伸び、ささくれ一つない手のひらで僕の頭を撫でる。何度もされたことのある仕草だけに、その手つきがまさに愛撫そのものだというのがわかった。
「里香……ありがと」
自分のするべき事を思いだした僕は小さくそう言うと、里香はスッと右手を僕の頭から離す。そして、僕はやっと里香への愛撫にとりかかった。まず順序通りに両胸に手のひらを一つずつあてがい、少しずつ揉んでいく。
サイズは大きくないけれど、ふにふにとしていて手触りはいい。
「あっ………」
里香の口から声が漏れると、僕は強弱を付けて揉み続ける。僕は手の平にすっぽりと収まった里香の小さい胸の感触を愉しんだ。
「ふぁぅ……ぁ……」
パジャマ越しだからそんなに生々しい感触ではないが、里香にとってみれば、パジャマ越しだからこその中途半端な快感に責められているんだろうか。ただただ乱暴にされるよりも、色々と焦らされた方が気持ちいいのは確かな筈だ。そんな事を考えながら、乳首がある場所に爪をムニッと立てた。頼りないほど柔らかい乳首が、僕の爪に潰される。すると、里香の身体がその瞬間ヒクッと反応する。
「んっ……! ……裕一、あ、あんまり痛くしないで……」
里香が切なげな声と共に僕に訴えかけてきた。僕は申し訳なくなり、指から力を抜いた。
「痛かった……かな?」
「うん……」
また申し訳なくなって、僕はもう少し力を抜いて愛撫を再開した。
「この位……かな?」
そう聞くと、里香は満足そうに頷く。
ふにふに‥‥ふにふに‥‥
そんな効果音がしそうな胸への愛撫をしながら、気まぐれで里香の唇を吸ってみた。
ちゅっ……
お互いの舌が触れる事もない気分だけのキスの後、里香が顔を赤らめてこう言う。
「その……わ、私……そろそろ……」
普段の強気な里香に比べたら、しおらしくてへりくだり過ぎていてあまりにも可愛かった。ちょっと事が進むのが早い気もするが、里香も我慢していたんだろう。
「わかった……無理しないでくれよ?」
コクンと、里香が小さく頷く。
……もう少し里香の敏感そうな小さい胸を愛撫していたかったけれど、里香にこう頼まれてしまったら、僕も断る理由は無かった。
まず秘部を覆っている里香の左手の手首を軽く掴み、そこからずらす。僕の目に晒された里香の秘裂は、もうしっとりと濡れているのが見るだけでわかった。これならもう触る必要もないなと思いつつ、僕は自分のペニスの先端をそこにピトッと当てた。すると、里香はおもむろに右足を持ちあげて僕の尻に回してきた。なるほど、こうすればスムーズに挿入する事が出来るだろう。
「ふぅっ……」
甘い息を漏らす里香と前側位で抱き合いつつ、僕はペニスを里香の割れ目の中に埋めていった。
ずずっ……
お互いリラックスしているお陰で、程良い締め付けが亀頭から根本にかけて広がる。里香も痛い思いはしていないらしく、目を細めたり瞑ったりしながら感じてくれていた。甘い溜め息がまた一つ、里香の口から漏れた。
「はわぁ……っ」
ずっ‥‥ず……
僕のペニスは少しずつ里香の膣内を進んでいき、温かく絡んできた肉襞の感覚を愉しんだ。また、挿入が深くなる度に里香の右足が僕の腰を彼女に引き寄せ正常位とはまた違った軽めの、偏った密着感をもたらしてくれた。やがて、ペニスは里香の胎内に収まりきったらしく、温かい密着感に包まれた。そうなれば、後はする事は一つしかない。
「う、動くよ?」
「うん……。 裕一、動いて」
里香に促されて、僕は少しずつ腰を動かし始めた。
ちゅっ‥‥ずちゃっ‥‥
僕のペニスが浅く里香の胎内を突く度に、里香の顔が赤くなるのがわかった。僕が今めちゃくちゃ幸せなように、里香もめちゃくちゃ幸せなんだろうか?
くちゅっ……ずっ……
あまり身体に負担をかけない体位のおかげでお互い話せる余裕はあったから、僕はこう里香に冗談交じりに聞いてみた。
「……気持ちいい?」
僕と目があってしまった里香は、少し目をそらしながら話す。
「やめてよ……は、恥ずかしいじゃない……」
「そっか‥‥里香が気持ちよければ俺はいいんだけどね」
そう言って、今度は少し腰を深く突き上げてやった。可愛い声を漏らし、里香は目を瞑る。
「ひぁ……」
反応から察するに、里香はもう大分出来上がってきたようなのでフィニッシュに向かってもいいかな?と考えつつ腰を深く突こうとした時、アクシデントというか災難は突然やってきてしまった。
トン‥‥トン……トン‥‥トン……
「……?」
里香の病室から壁一枚隔てた廊下の、医局の方向から人の足音が聞こえてきたのだ。無防備な僕達を脅かすように、徐々に近づいてくる。
急に聞こえた足音に、僕と里香は声も出さずに驚きで固まってしまった。もちろん、繋がったままで。静寂の中で僕と里香は息を殺し、足音の主を聴力で探ろうとする。どうやら足音の主は二人いるらしく、二人分の足音と喋り声が聞こえる。しかも悪いことに、その片方は僕が良く知っている人物だ。
「ったく……なんでこの夜中にナースコールで呼び出されないといけないんだ……しかも……あんたまでついてくんのはどうしてさ? そういう独断は色々といけないんじゃないんですかぁ、せんせい?」
若い女の人の声……亜希子さんが、並んで歩いているもう一人に話しかけた。話しかけられた方は、やれやれという調子で返す。やはり良く知っているあの男の声だ。
「……疲れてるお前が、どこかミスッたら困るからな。 まぁ、いつもだって怪しいもんだが」
男の声……夏目に言われてムッとしたのは、先に話しかけた亜希子さんだった。
「患者さんはかなり気持ち悪いって言ってましたけど、声ははっきりとしてましたから、多分なつめせんせーの出番はありませんよ。 つーか帰れ」
聞こえる声が徐々に大きくなる理由は、亜希子さんが怒っているのと距離が近づいているのと両方だろう。
「おーこわいね~…‥ だったら俺は散歩と、看護婦いじりを兼ねてついてきたって事で。何かヤバそうだったら俺が処置する」
「処置ったって、あんたは内科医じゃないだろうが。……ああもう勝手にしろ……」
そこまでの夏目と亜希子さんの会話を聞いていて、僕はかなり焦ってきた。なんであの二人が都合良くこの辺に来てるんだとか、そもそも同じようなシチュエーションがこんなにある訳ないだろうとかそういう感情はすぐに吹っ飛んだ。二人の目的地がここではないのは幸いだが、二人がヘンな気を起こしてこの病室に入って来たらどうしようとよう嫌な予想に、背中に寒気がゾクりと走った。もうこんな事をしている場合ではない。何か気配を感じ取られる前に、これをやめなくてはならない。
「里香……ごめん。 今日はこれで終わりに‥‥」
僕はそう言って里香の秘裂を貫いているペニスを引き抜こうとしたが、腰が動かなかった。
ただ前後運動が起きてペニスが扱かれただけだ。
ずっ……
もう一度引き抜こうとするが、やはり後ろに引けない。
ずち……ゅっ……
トン‥‥トン……トン‥‥
夏目と亜希子さんの足音に急かされながらも、僕はあることに気が付いた。
「え……ちょ、ちょっと里香」
何かおかしいと思ったら、里香の右足が僕の腰を押さえつけている。これでは、行為を中断することが出来ない訳だ。僕が驚きながらも彼女の顔を見ると、すっかり色っぽく紅潮していて小さな口の端からは一筋の唾液が垂れていた。
「裕一…… わたし、もうがまんできないよぉぉ………」
里香は半ば呻くようにそう言うと、腰を振ってきた。まるでさっき亜希子さんが近くを通った時に、僕が里香を達せさせたような雰囲気を感じた。僕の口から情けない声が漏れる。
「うっ……」
騎乗位ほどではないものの、肉襞が迫ってくる圧迫した快感に襲われる。蕩けた顔の里香は続けて僕の腰を右足で引き寄せ、腰を振ってくる。侵しがたい雰囲気を纏った長い髪の毛が、里香が身体を揺らす度にサラサラと揺れた。
グッチュグッチュ!
「はぁ……ぁっ……ん……ぅっ!」
ペニスに絡み付いてくるような里香の膣からの快感に耐えながら、僕は里香を慌てて止める。
「り、里香駄目だって! もし夏目と亜希子さんに気付かれたら……」
けれど、里香の腰は止まらずにそれどころかもっと快感を求めた。
ぐちゅっぐぢゅっ……
快感に赤く染まった顔の里香は、もはや歯止めが効かない程に昂ぶっていた。今の彼女の漆黒の瞳には、いつもの知性的な光の代わりに、
危なっかしい艶やかな輝きがギラリと宿っていた。同じように危なっかしい口調で、里香は僕を求める。
「ふわ‥‥ぁ…… 裕一も、うごいてぇ……」
トン‥‥トン……トン‥‥
夏目と亜希子さんの足音が聞こえても、里香の腰は止まらなかった。
ぐちゅっ……ぐちゅっ……
僕のペニスは不規則に扱かれて、僕自身も我慢の限界に達してしまった。里香と一緒にギリギリの所で快感を貪りたいという欲求が、理性をやや上回った。
「……動くよ?」
頭の中でカチリという音がしたかと思うと、僕は里香の身体を抱き寄せながら激しく腰を打ち付ける。水音が結合部から鋭く響く。
ズッチュ、ズッチュ!
「ひゃ……!」
里香が気持ちよさそうな小さい声を出したので、僕はまた話しかけた。
「俺も、もう我慢できないよ……」
「ゆういち……ありがと」
里香はそれだけ恥ずかしげにいうと、僕の腰の動きに合わせて早めに動き始める。
グチュッ……グチュッ……
前側位でやや動きづらいけれど、僕と里香の快感は確実に高まっていく。僕は里香の胎内の壁をなぞるように腰を大きい動きで振る。
ズゥッ……
「や、そこぉ……いいよお……」
里香は身体をヒクッと少し震わせながらそう言った。……すぐ近くに夏目と亜希子さんがいるのに、僕は里香と繋がってこんな事をしている。その事をしっかり認識すると、頭の中がサァッとリトマス試験紙の色が変わるように快感に染まっていった。背徳感が後から後から迫ってきて、それがほとんど快感に成り代わっていく。
トン‥‥トン‥‥
そんな事を考えているとき、不意に足音が耳に入った。僕がさっき里香にした言葉責めが、ほとんどそのまま自分に跳ね返ってくる。……今この病室は外から僕と里香が出している水音が聞こえるんだろうか?僕と里香の小さい喘ぎ声が聞こえてしまうんだろうか?
そういう気配に気付いた夏目と亜希子さんがこの病室に入ってきて、僕と里香の秘め事を見てしまうんだろうか?
里香が僕以外には絶対に見せない艶めかしい姿を、あの二人に見られてしまうんだろうか?
妄想のような背徳感が身体を灼くようにいくらでも湧いてきて、僕と里香の快感を頂上にまで昇らせていく。たまらず里香の唇を奪うと、それを絡め取るように里香の舌も絡み付いてきた。
「はむっ……んっ………ぁっ……」
熱っぽい口づけに二人で酔いしれる。
トン‥‥トン‥‥
するとその時、夏目と亜希子さんが病室の前を通っているのだろうか、足音がかなり大きく聞こえた。その乾いた足音に焚き付けられるように、僕は激しく昂ぶる。里香の身体を引き寄せ、ベッドがきしむ音と水音が聞こえる位に突き上げる。
「やあぁっ……! ゆ、裕一のがこすれてる……
グチュッ!グチョッ! キシ‥‥キシ‥‥
お互い変に興奮しているせいか、里香の肉襞は不安定に、けれど強く絡み付いてきた。けれど、それより気になったのが里香の反応だ。
里香もかなり感じてしまっていて、快感と背徳感に染まった口調で何か言っている。
「やだ、ぁ…… 音出しちゃ、駄目えっ……ひぁわぅっ……!」
里香と僕はもうとっくに、この危険と隣り合わせの行為に嵌りきっていた。僕は、だったらもうバレるかイくかだという極端な考えに襲われ、こんな事を口走ってしまう。
「里香‥‥やっぱりバレそうなのが、気持ちよくって仕方ない変態なんだ?里香のアソコ、今までよりもすごい締め付けだよ?」
直接的な言葉責めに里香は反論することなく、首を縦にコクコクと振って僕の問いに同意しながらも絶頂に昇り始めた。
「そう、そうなのっ」
意外な里香の反応に僕は驚きながら、また似たような事を言ってみる。
「じゃ、自分が変態だって認めるんだ?」
里香は涎を垂らしながらもなんとか答える。里香の中の締め付けがキュンと強くなった気がした。
「へんたいでもいいからっ、もっと、もっとしてぇっ‥‥!」
その言葉を聞いた僕は熱に浮かされたように更に激しく腰を突き上げて、里香を絶頂に押し上げていく。一突きごとに里香の身体は様々な反応を見せ、やがてそれは押さえられなくなった。部屋のすぐ前に夏目と亜希子さんがまだいたとしたら、確実にバレてしまう程の水音や喘ぎ声がする。
「わたし、もう、だめぇぇっ……ゃぁあっ!」
何度目かの突きの後、里香の絶頂が始まったのか、里香のトロけた胎内に僕のペニスがキュッと締め付けられる。
キュッ…キュゥッ……
さらに断続的な肉襞の締め付けが連鎖していき、間隔が短くなる。僕は前側位で出来るだけの激しい腰つきで里香の子宮口を突き上げるが
しつこく絡み付いてくる肉襞にペニスが扱かれ、前側位ではお互い動くこともままならなくなる。夏目と亜希子さんとに気が付かれるかも知れないと思いながら、僕は里香に話しかけた。
「里香‥‥出すよ! だすよっ!」
僕も僕だが、里香ももはや淫乱としか形容しようのない顔と声でわななく。
「ゆういちっ……!! わたし、変になっちゃうよぉぉっ……!!」
「変になろぉっ! 二人で!」
最後に僕と里香は最後に身体をしっかり絡ませながら達した。結合部も全身も、ビクビクと電流を流されたように震える。僕の尻を押さえている里香の右足にも力が加わっているのがわかる。そして、美しく乱れた里香の声が、密かに病室に響いた。
「ん、ああっ、ひゃああああぁぁ‥‥……っ!」
「りか……ぁっ……」
高みに飛ばされる瞬間、僕は夏目と亜希子さんにこの痴態を見られる現場を想像していた。多分、里香もそうなんだろうと思う。
そう考えていた時、僕と里香の理性はとてつもない快感と背徳感に押し流されていった。
ビュルゥッ、ビュウゥゥッ……!!
僕のペニスの先から里香の身体の奥に熱いモノが躊躇いもなくドクドクと流し込まれ、やがてそれは里香の胎内をたっぷりとねばっこく、濃厚に白く満たしていった。
キュン! キュ~~ッ!
乱暴に収縮を繰り返す熱い肉襞に、僕のペニスはすっかり精液を搾り取られてしまった。僕の尻を押さえていた里香の右足が力を失い、僕は腰を後ろに引いてペニスを引き抜いた。
コポッ……
少し切ない感覚なのか、里香は声を小さな声を出した。
「ふわぁっ……」
その後、深い余韻とどっと溜まった疲れのせいでついに意識さえも徐々に飲み込まれていった。
どんどん瞼が重くなる中、やっと覚えているのが
「わたし……おかしくなっちゃっ‥‥た……よ」
という、背徳的な絶頂の余韻にすっかり溶かされた里香の言葉だ。僕はそのまま、里香と抱き合いながら眠りについてしまう。
もう、夏目と亜希子さんの足音は聞こえなかった……
―――ちなみに、この夜の一事からしばらくの間、僕と里香は夏目や亜希子さんに会う度にひどく悶々とした気分になってしまうのだが、それはまた別の話―――

おわり

COMMENTS

イイ!です。

刺激たっぷりでしたね。まさに刺激マーーックス!

よかったです!

やばい・・・かなりイイ!

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